山上ヶ岳

日付:2008年3月22日 場所:山上ヶ岳 メンバー:Tino 
母公堂(8:00)〜山上ヶ岳(11:30-12:00)〜母公堂(15:00)

最近はずっと暖かい日が続き、我家のスキーも先週で一応終了。
これからは気分を春モードに切り替えて、まずは春先の暖かい山をのんびり歩こうと考える。
今日の行き先は大峰の山上ヶ岳、体調と時間次第で稲村ヶ岳にも回るつもりだったのだけど。。。
正直、3月の大峰を甘くみていた事に後ほど気付く。

土曜日、何とか朝5時に起きる事ができたので、車を洞川へと走らせる。
R 309を走り、母公堂付近に到着したのは午前7時50分、途中の道には積雪も凍結も無し。
タイヤはまだスタッドレスのままだけど、この分では来週くらいはノーマルに履き替えても問題なさそう。
周囲には車が結構止まっているが、半分くらいは渓流釣りっぽい。
山上川も解禁して間も無いので、結構な釣り師が入渓しているようだ。
車を止めて準備を整え、朝8時に歩き出す。
まずは大峰大橋まで30分程の林道を歩くが、山を歩きながらも川を眺めては、釣りのポイントや川遊びのポイントを探しながら歩く。
結構深い場所もあり、夏の川遊びには良さそうだけど、夏でも水が冷たすぎて大人には辛いか。
そんな事を考えながら歩いていると、いつの間にか大峰大橋に到着。
ここから女人結界門を抜けて山道に入るのだが、ここは未だ女人禁制の山で、春から秋には修験道の修行風景も多く見られるとの事。
日本100名山の一つに名を連ねており、シーズン中は多くの人で賑わっているようだ。
しかし季節は3月後半、雪山を楽しむには遅く、花や新緑を楽しむには早く、要するに中途半端な季節なのだが、その為人も少なかろう。


大峰大橋までの林道歩き。
横を流れる山上川では釣り師の姿も。


朝日を正面に浴びながら歩く。
振り返れば自分の影だけ。
日陰では残雪&凍結路も。
洞川温泉までは路面も完全ドライ。
大峰大橋に到着。
母公堂から30分くらい(多分)。


天気最高 女人結界門、この先は女人禁制。
軽くテンションが下がる場所。



さて、女人結界門を抜けると杉木立の中を歩く。
所々に残雪はあるが、歩くのに支障のあるような量では無い。
思った通り人は少なく、ここまで会った人は二人だけ。
この辺りは景色が良い訳でもなく、黙々と足を運ぶだけの単調な道が続く。
やがて1本松茶屋に到着したが、この時期勿論休業。
この辺りから目に見えて雪の量が増えてくる。
先行者の足跡を確認しながら、つぼ足にならない場所を選んで足を運ぶ。
いくら雪が多いと言っても、この時期だけに水分をたっぷり含んだザク雪で、歩きにくい事この上なし。
ちょっと油断すれば膝どころか太股まで埋まり、軽くイラッとしながら歩き続ける。


冬の名残も少しだけ。


一本松茶屋に到着。
シーズンオフなので誰もいない。
陰々滅々。


外に出れば明るい日差し。
少し残雪が増えてきた。


お助け水。
雪に埋もれているのか凍っているのか、
どこから水が湧いているのか分からなかった。


歩きにくく滑りやすい。


2時間程歩いて洞辻茶屋に到着したが、勿論ここも休業。
屋根の中は暗くて陰気なので、外で雪の無い場所を選んで小休止。
この時期は場所によって雪の量が全然違うのが面白い。
雪は多いが上着など着ていられない程暖かく、足元さえ気にしなければ完全に春山の雰囲気。
この気温は予定通りで快適だが、この辺りで予定外の膝痛が。
中途半端に雪があるせいなのか、最近は痛みは無かったのに久々に来た。。。
だましだまし歩いて行くが、足元が悪く、あまり膝をかばっていても危険なので多少の痛みは無視して歩く。


景色は良いが、足元に気をとられて。。。


橋や階段部分は雪が多い。
先行者のつぼ足多数。


洞辻茶屋に到着。
ここもやはり暗い雰囲気。
外で休憩するほうが快適。


いつの間にかすっかり雪山の雰囲気に。 この頃から雪が緩みだし、
木の上の雪が大きな音をたてて落ちだす。




暫く歩くと西の覗きに到着。
なかなかの絶景と高度感があるが、あまり先端まで行って雪で滑ったら怖いので、一歩下がって眺める。
この場所を離れてさらに歩き、やれやれやっと山頂に到着。
と言うのも、この頃には膝の痛みがかなり強くなっており、かなりのスローペースで歩いていた為。
山頂のお花畑には当然お花は咲いている訳もなく、全面雪に埋もれているばかり。
周囲には足跡はあれど人影は全く無し、この景色独り占めが嬉しい。
シートを敷いて正面の稲村ヶ岳を見ながらコンビニおにぎりを食べ、横になりたいが雪があるので座って周囲の景色、空、空気を堪能する。
お湯を沸かしてコーヒーを飲もうと思ったのだが、ここは火気を使用して良いのかどうか分からなかったので自重する。
まあ、気温が高いのでコーヒーより冷たいお茶が飲みたかっただけだけど。


西の覗きに到着。
修験者が崖から身を乗り出すアレですね。


ここからの景色もなかなか。 写真では高度感が伝わらないが、
足元は断崖絶壁。


30分程この場所で贅沢な時間を過ごし、そろそろ動き出そう。
当初はレンゲ辻方面に下りるつもりだったのだけど、雪と膝痛で思ったより時間がかかってしまったので、今日のところは来た道を帰る事にする。
相変わらず周囲に誰も居ないのを良い事に、おもむろにズボンを降ろしてパンツ一丁になり、痛み止めスプレーを下半身(膝)に。
裾を捲り上げればいいのだけれど、アイゼンとスパッツを装着しているので降ろす方が早いのだ。
帰りは一度通った道なので状況は分かっているが、膝痛は上りよりも下りの方が辛い。
雪道も上りよりも下りの方が滑って危険。
さらに、朝のうちは締まっていた雪が、この暖かい気温でどんどん緩み出し。
往路は普通に雪の上を歩けた場所が、復路では雪を踏み抜く事が多くなる。
膝まで埋まるのはまだマシな方で、酷い場所では太股まで、さらには腰付近まで埋まってしまい、抜け出そうと手をついた場所も埋まり、
結局うつ伏せで全身が雪に埋もれて、亀のようにジタバタする事数回。
片足が埋まり、そのままバランスを崩してスローで後ろに倒れ、結果的に吉本新喜劇の平三平のようになってしまう事数回。
雪道を歩くのは楽しいが、今日のような腐れ雪では全然楽しく無い。
(山頂付近は比較的マシだったけど)
見た目だけの積雪量は多いが、こんな雪なら早く溶けて欲しいと切に願いながら降りるのだった。


山頂に到着、誰もいない。


残雪は平均50センチくらい。
多い場所で1M越え。
少ない場所は雪無し。


百名山の看板も。
山頂お花畑。
雪に埋もれて只の広場になっているが。


稲村ヶ岳を見ながら昼食。
それにしても暖かく、雪が無ければ昼寝したい。
山頂では誰にも会わなかった。


左膝を庇いながら歩いたせいで、今度は右膝も軽く痛くなってくる。
ザックを降ろして例によってパンツ一丁になり、シュッとスプレーを一吹き。
これで30分くらいは痛みが和らぐが、だんだん効き目が薄れてくる。
その度にザックを降ろし。。。
結局下りも3時間かけて元の駐車場までたどり着く。
朝気持ちよく歩いた山上川沿いの林道が、帰りは随分と遠く苦痛に感じた。
せめて温泉にでも入ろうかとも思うが、膝が痛いので億劫になり、結局どこにも寄り道せずに自宅に帰る。

暖かい日が続いた3月後半の山上ヶ岳、もっと雪が少ないかと思っていたが、さすがに上部はしっかりと雪が残っていた。
本当はのんびりと歩くつもりだったのだけど、少々思惑が外れてしまった。
次回は山頂のお花畑が見頃の時期に訪れてみたい。

まあ、天気は良いし暖かいし、人は少なくて静かな山を歩けたし、それなりに満足な山行きだったか。

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