栗とガスの武奈ヶ岳

日付:2008年10月7日 場所:武奈ヶ岳 メンバー: Tino
坊村(7:40)〜山頂(10:30〜11:10)〜坊村(13:10)

午後から若狭で仕事の打ち合わせがあり、その前に比良山系最高峰の武奈ヶ岳(1214M)に軽く登ろう。
と、軽い気持ちで家を出る。
朝5時起床、5時半出発。
近畿道〜名神京都東IC〜西大津バイパス〜湖西道路真野IC〜R367坊村着は午前7時10分。
さすがにこの時間だと車の流れも早く、2時間かからず到着.
この時間で来れるなら大峰の山々に行くよりも楽かも、但し帰りは混むだろうけど。

坊村の駐車場で身支度を整え、歩き始めが午前7時40分。
天気は曇天、車中から見た武奈ヶ岳山頂はガスに覆われていた。
初めての山でもあるし天気も良くないし、水や食料は少々多め。
レインウェアや上着も含めて30Lのザックがパンパンに膨らんでしまった。
平日の早朝、誰もいない登山道を歩き始めるが、いきなりの急登の洗礼、比良の山は甘くない。
山頂までの距離は僅か3.5km程だけど、標高差が900mを越えているので覚悟はしていたが。
最初の10分で一気に汗をかき、上着を脱いでTシャツ1枚で足を進める。
暫くの間は植林の中で、見るべき景色も花もなく、かなり退屈な道。
しかもこれが延々と続き、初めてなので適当な休憩ポイントの場所もわからず、どうもペースが掴み辛い。
つまらないとは思いながらも歩いて行くと、それなりに自然林も増えてきた。
比較的若いブナの木が多く、新緑の頃はさぞ綺麗だろう。
それにしてもこの道、やたらと山栗が多く、木から落ちた実が登山道の至る所に落ちている。
暫くは無視して歩いていたが、どうにも我慢できなくなり、娘へのお土産にと暫し歩きながらの栗拾い。
実が大きめでツヤのあるものだけを選んでズボンのポケットに詰めながら歩いていたが、あっと言う間にポケット一杯に。
あんまり沢山拾っても後が面倒なので、その後は再び無視して歩く。


坊村、比良山荘横から登る 今回は御殿山コースを
距離3.5q、標高差900m


いきなり暗い植林帯の急登
つまらないし疲れるし


少し色が変わってきている とにかく栗が多い
堪えきれず栗拾い 一瞬日が差して 風格のある猿が横切る


ようやく傾斜が緩やかになる


トリカブトがあちこちに咲いていた 盛りは過ぎたようだが、まだまだ綺麗


栗拾いにも飽きて急登を真面目に登っていると、1匹の猿が悠然と前を横切る。
私と目が合っても慌てる素振りも見せず、堂々としたもの。
しかしなぜ1匹?と思いながら歩いていたら、少し先で猿の群れらしきけたたましい鳴き声。
私に対する威嚇なのか仲間同士の喧嘩なのか、どちらにしてもかなり気が立っている様子。
先程の猿は偵察だったのか。
彼等のテリトリーに踏み込んでいるのは私の方なので、ここは刺激しないように大人しく通過する。
猿から離れたと思えば、今度はあちらこちらで鹿の鳴き声。
平日で登山者も少ないせいか、森は野生動物達が闊歩している気配。
とは言えこちらもそれくらいは想定済み、今日は最初から熊鈴を鳴らしながら歩いている。

退屈で急な登りに足も気持ちもいいかげん疲れて来た頃、周囲の景色が開けてようやく稜線に乗る。
すぐに御殿山(1097M)に到着した。
ここからは今日の核心部、楽しみにしていた武奈ヶ岳の西南稜歩きになる。
武奈に続く稜線から山頂までが見通せる景色で、ガスってはいても十分見応えのある景色。
不思議なもので、この景色を見たら疲れも吹き飛び、自然に歩くペースも速くなる。
それにしても、青空の下だとどれほど気持ちが良かっただろうかと思うと、今日来た事が少々残念ではあるが。

稜線に乗り、ようやく周囲が開ける


御殿山に到着 西南稜から武奈ヶ岳山頂まで見通せる
(まだあんなに歩くのか。。。)


一度下って登り返し
ワサビ峠を通過


周囲は笹や潅木が多く、見通しは良い 晴れていたら綺麗だろう


遮るものの無い稜線を気持ちよく歩き、誰もいない武奈ヶ岳山頂(1214M)に10時30到着。
栗拾いや猿と遊んでいたせいか、単に体力不足のせいなのか、予定より随分時間がかかってしまった。
しかし周囲は360度の大展望!
と言いたい所だが、360度ガスに覆われ真っ白。。。
この後は仕事が控えているのであまり時間は無いのだけど、せめてコーヒーだけでもとお湯を沸かす。
本来ならば琵琶湖や伊吹山が見えているだろう場所に座り、白い景色を眺めながら熱いコーヒーを。
比良山系の最高峰を独り占めしてコーヒータイム、何て贅沢な時間&空間だろうか。
これでガスってなければとも思うが、それはもう言うまい。
30分程粘り、一瞬ガスが少しだけ晴れて、薄っすらと景色が見えたのを区切りに下山する。
御殿山までの稜線では何人かの登山者とすれ違うが、稜線を離れると再び一人。
昨日の雨で足元はあまり良くなく、半分程降りてきた辺りで濡れた石の上に足を置いてしまい、思いっきり滑ってこける。
かなり激しい転倒だったのだけど、幸いにも大きな怪我は無い感じ。
しかし少々腰を捻ってしまったようで、歩く度に軽い痛みが。
ここからペースも意識して落とし、慎重に下山する事にする。

山頂に近づく程にガスが濃くなり

もはや展望は諦めた


誰もいない山頂に到着
とりあえずコーヒーを


武奈ヶ岳とガスに乾杯
一瞬ガスが晴れて琵琶湖が
山頂付近の紅葉はもう少し先


そろそろ帰ろう 武奈ヶ岳、綺麗な山でした


午後1時過ぎに車に到着し、ザックを降ろしてドロドロになった靴を履き替える。
このまま家に帰って一眠りしたいところだが、これから若狭での仕事が控えている。
1時間かけて車を走らせ、シーサイド高浜の「湯っぷる」で汗を流して服を着替え、午後3時からは一転仕事モードに。
結局現地を出たのは午後8時半、自宅到着は午後11時半だった。

さすがに山登りの後の仕事は体力的に辛いものがあり、随分と長く感じた1日だった。
このパターンは疲れるのでもうやめよう。
と思っていたのだけど、翌日には早くも次の予定を考えている自分にびっくり。
しかし今度はもう少し短時間で登れる山にしよう。
ちなみに持ち帰った山栗を茹でて食べたのだけど。
嫁さんには「売ってる栗の方が美味しい」
娘には「天津甘栗が良かった」
と言われたのでした。。。

天津甘栗が山に落ちてたらいいのにね。。。


Back  Home

inserted by FC2 system